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国会からの検査要請事項に関する報告(平成19年) | 国会からの検査要請事項に関する報告 | 検査結果 | 会計検査院 Board of Audit of Japan requesut

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Academic year: 2018

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全文

(1)

我が国政府開発援助における無償資金協力及び技術協力にお

いて被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約

に関する会計検査の結果についての報告書(要旨)

(2)

検査の背景

参議院からの検査要請は、我が国政府開発援助における無償資金協力及び技術協力にお いて被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約についての次の各事項である。 ( 1) 検査の対象

内閣府本府、警察庁、金融庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生 労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、独立行政法人国際協力機構 (JICA)、各府省が所管する公益法人

( 2) 検査の内容

我が国政府開発援助における無償資金協力及び技術協力において被援助国が実施する 施設の建設や資機材の調達等の契約についての次の各事項

① 契約の競争性・透明性の向上に向けた我が国援助実施機関の取組の状況 ② 落札率の状況(予定価格、入札、落札、不落随契等契約の状況)

会計検査院は、政府開発援助の無償資金協力及び技術協力における契約入札手続等につ いての検査の要請を受け、19年次は、無償資金協力において被援助国が実施する施設の建 設や資機材の調達等の契約の状況について検査した。

また、18年6月15日の参議院決算委員会理事会で、「国会法第105条に基づく会計検査院 に対する検査要請(18. 6. 7)について」として、

① 技術協力については、我が国援助実施機関が実施する、海外での施設の建設や海 外向けの資機材の調達等の契約

② ベトナムにおける、ベトナム交通運輸省第18事業管理局(PMU18)が関係す る我が国の政府開発援助

の両事項が含まれることが確認された。

(3)

無償資金協力において被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約につい て

1 我が国の無償資金協力のうち、一般プロジェクト無償等では被援助国政府が行う事業 への資金供与の形態を採るが、詳細設計やこれに基づく積算及び施設の建設や資機材の 調達等は被援助国政府との契約により我が国の企業が実施している。そして、我が国が 供与する資金は、必要な都度、必要な金額が我が国にある被援助国政府名義の口座を経 由して直ちに契約者である我が国の企業に支払われる仕組みになっている。

契約の競争性・透明性の向上に向けた我が国援助実施機関の取組の状況については、 外務省及びJICAは、ガイドライン等を制定し、一般プロジェクト無償等では競争性 が確保できる制度としての一般競争入札制度を従来から採り入れており、近年において も様々な取組を行っている。また、被援助国政府が施設の建設や資機材の調達等で締結 する契約の相手方を我が国の企業に限定しており、施設の建設については入札参加資格 制限付一般競争入札制度を採用することとしているが、これは、我が国が有する優れた 技術、知見等を活用した援助としての質を確保するためのものであるとしている。

外務省及びJICAは、予定価格は事業を実施する被援助国政府が詳細設計に基づく 積算を基礎に作成していると説明している。外務省は、従来から入札結果を公表してい たが、15年度閣議決定案件からは、無償資金協力事業に対する一層の情報開示努力とし てそれまでの入札結果に加え予定価格も公表することにした。そして、予定価格と基本 設計調査報告書に記載されている概算事業費又は見直し後の概算事業費とを比較すると、 施設の建設に係るものでは94. 9%が概算事業費のプラスマイナス10%の範囲内で、また、 資機材の調達等に係るものでは92. 1%が概算事業費のプラスマイナス3%の範囲内で作成 されている状況になっていた。

(4)

事業実施上のリスクが存在するなどのためと思われると説明している。

一般文化無償では、資機材の調達等に係る入札会119件のうち102件(85. 7%)は1者だ けが参加して行われたものであり、平均の参加者数は1. 1者であった。

落札率の状況については、分析の結果、一般プロジェクト無償における平均落札率は 89. 88%になっており、施設の建設に係るものでは平均96. 81%、資機材の調達等に係る ものでは平均85. 83%で、両者の間には平均で10ポイント以上の差が生じていた。また、 落札率と落札件数の関係についてみると、資機材の調達等に係るものでは落札率99%以 上のものは全体の21. 6%であるが、施設の建設に係るものでは99%以上のものは全体の 67. 4%を占めていた。これらについて、外務省及びJICAは、資機材の調達等では輸 送のほかに現地での据付け作業を伴うことがあるがこれは比較的短期間で済む一方、施 設の建設では現地に一定期間留まり工事を行うことになるため、施設の建設と資機材の 調達等とでは契約内容、現地事情等を勘案した場合契約履行のための前提条件に少なか らず相違があり、施設の建設の方がより多くのリスクを勘案して価格札に反映されてい る可能性が高いと思われると説明している。

不落随契は、再度入札をしても落札者がない場合で、それ以上は競争入札によること が困難であると見込まれる場合に予定価格を下回るまで価格交渉を行った結果随意契約 として締結されるものである。JICAでは、1回の入札会で入札を再度までと限定して おり、不落随契の件数は、契約件数の25. 3%を占める状況になっていた。特に、一般プ ロジェクト無償では、資機材の調達等に係るものが9. 9%であるのに対し、施設の建設に 係るものは39. 0%と高くなっていた。

イラク復興支援は、外務大臣の閣議発言を受け、緊急無償資金協力として各案件ごと に資金を一括供与して実施されたものであるが、資機材の調達等に係る案件が中心であ り、入札の結果、落札価格が予定価格を大幅に下回ったため追加調達をすることにし、 特別に緊急性が高いという理由により随意契約を締結したものがある。

(5)

1者だけが参加した入札では競争性が確保されているとは言えない。ついては、外務省及 びJICAは、契約の競争性・透明性の向上に向けたより一層の努力を引き続き行って いくことにより、被援助国政府が最低限現状の入札参加者数を確保し、また、2者以上の 参加者を確保していくことが望まれる。

また、本院は、入札の結果としての落札価格の予定価格に対する割合である落札率の 状況等について外務省が公表している資料等に基づいて914件の契約について分析を行っ た。被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約に係る予定価格やその基礎 となる仕様書、設計書等は被援助国政府が作成し所有するものであることを踏まえた上 で、外務省及びJICAは透明性の向上に向けて、落札率の状況(予定価格、入札、落 札、不落随契等契約の状況)について、引き続き公表するなどの努力を行っていくこと が望まれる。

無償資金協力は国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるもので、国民 の十分な理解を得ることが重要であることにかんがみ、国民に対する最大限の説明責任 を果たしていくことが求められる。

現在外務省が行っている無償資金協力の業務の相当部分が20年10月にJICAに移管 され、外務省及びJICAの果たす役割が大きく変わることが想定されるが、本院とし ては、契約の競争性・透明性の向上に向けた取組や落札率の状況がどのように推移して いくのかについて、今後とも留意していくこととする。

(6)

(別掲)

ベトナムにおける、ベトナム交通運輸省第18事業管理局(PMU18)が関係する我 が国の政府開発援助について

1 ベトナム国における各国からのODAでPMU18が実施機関となって実施された事 業において、不適切な設計や施工が行われ、我が国を含むODA資金が遊興費等に流用 されたのではないかとの疑念がベトナム国国民の間に生じているとされた。

会計検査院は、PMU18が実施した我が国の無償資金協力4事業及び円借款7事業、 計11事業について、我が国援助実施機関等から資料の提出、提示や説明を受け、また、 ベトナム国に職員を派遣し、協力が得られた範囲内で、相手国実施機関等から資料の提 出、提示や説明を受けるなどし、検査及び調査を実施した。また、実地に無償資金協力 事業の16箇所、円借款事業の23箇所、計39箇所で施工状況等の現場確認を行った。検査 及び調査に当たっては、①資金の供与等は適正に行われているか、②橋りょうの建設の 工事において設計変更がある場合に手続等は指針等に則して適切に行われているか、③ 道路の工事において設置された施設や使用された資材が設計どおりのものとなっている か、④契約書に記載された仕様どおりの機材を調達しているかなどに着眼した。

( 1) 資金の流れ

外務省及びJBICの説明によれば、無償資金協力の供与及び円借款の貸付実行の 方法は、PMU18は我が国の資金を直接受領する仕組みとなっていないとしている。 会計検査院は、検査した範囲では、供与又は貸付実行された資金については、本邦の 銀行から直接契約業者等に送金される旨の支払授権書のあることや支払請求書の書類 にPMU18等による確認の証明のあることなどを確認した。

( 2) 無償資金協力事業

(7)

イ 同計画で実施されたロンミー橋について、コンサルタントがJICAに設計変更 の所定の報告をしないまま取付道路等の形状変更を行っていた。

( 3) 円借款事業

ア 国道18号線改良事業において、鉄筋の代わりに竹を使用していること、また、使 用された砂の品質の問題について現地報道がある旨が参議院決算委員会において言 及された。そして、トラフィックポストの材料に鉄筋の代わりに竹が使用されてい たものがあったが、コンサルタントが施工監理を実施し仕様どおりのトラフィック ポストを再設置させたこと、砂については、設計どおりの砂の全量確保が困難であ ったため、承認の手続を執って設計とは異なる砂を使用したことについてJBIC や現地でPMU18等から説明を受けた。

イ ベトナム国政府からの申し出によりJBICに車両の購入資金の返還が行われた 経緯の説明を聴取したところ、2事業2契約で、これら事業に係る工事の管理等にP MU18が使用するため購入された車両について、仕様書に記載されていた車両( 四 輪駆動車)とは異なる車両( セダン)が4台(これらに係る貸付実行額2871万余円) 購入されていた。

2 ODA事業では被援助国の政府関係機関等が契約、入札、設計、支払等を行っている が、その資金は我が国の財政資金で賄われていることにかんがみ、外務省、JICA及 びJBICにおいては、事業の内容を把握し、事業の全般の執行について、納税者であ る我が国国民に対する説明責任をより一層果たす必要がある。

(8)

また、円借款事業の実施において、仕様書とは異なる車両4台が購入された事態が生じ たことは遺憾である。このような事態が生じたのは、主として、ベトナム国側がガイド ラインの趣旨等を十分に理解していなかったことによると認められる。したがって、ベ トナム国政府はODAの事業実施体制の見直しに努めているところであるが、JBIC においては、ベトナム国政府に対し、ガイドラインの趣旨等についてより一層理解を促 したり、必要に応じて事業内容のより一層の的確な把握に努めるように求めたりする必 要があると認められる。

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